プラモデルへの汚し塗装、ウェザリングをしたい。調べてみても、あれこれあって難しいですね。色々とある手法やツールの中で私が使用しているウェザリングツールや手法の説明を行います。塗装剥げ、錆、埃、泥、油のウェザリングが対象です。
2回の掲載でウェザリングの行い方を説明をします。今回はウェザリングツールの特徴と手法。次回は行いたいウェザリングに対しての使用法です。
ウェザリングの種類と使用ツール
ウェザリングの種類と使用するツールを表にしました。行いたいウェザリングに対して、以下のツールを使用します。ちょっと複雑ですね。とは言え、慣れですので行っているうちに覚えます。どっちみち汚す訳ですから、ジャカジャカやってしまいましょう。
墨入れ | パステル シャドウ | 埃 | 泥 | 油 | 薄い錆 | 錆& 塗装剥がれ | |
Mr.ウェザリングカラー | ◎ | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
ウェザリングマスター | × | ◎ | ◎ | 〇 | × | △ | △ |
リアルタッチマーカー | 〇 | × | 〇 | △ | △ | 〇 | 〇 |
Mr.ウェザリングペースト | × | × | △ | ◎ | × | × | × |
◎:とても適している
〇:使える
△:なんとか使える
×:向いていない
なんだか、洗濯物の表みたいになりましたね・・・(´・ω・`)
ウェザリングの工程
塗装からウェザリングまでの工程は以下の流れとなります。あくまでも一例です。場合によっては他の順序でも行います。
塗料は下の塗料を侵食します。これは塗料の強さで侵食したりしなかったりします。
ラッカー系 > エナメル系 > 油性 > 水性
ラッカー系&エナメル系の塗料で基本色を塗装。その上からウェザリングを行ったら、キリの良い工程でラッカー系のトップコートを行います。そして次のウェザリングを行う事で、前に行ったウェザリングの状態を保護する事が出来ます。工程はこの繰り返しとなります。
また、一度目のトップコートはデカールの段差を消す効果もありますので、しっかりと塗装。以降のトップコートはウェザリングの保護のみですので軽く行います。これをしっかりと塗装してしまうと、ウェザリングマスターは流れ落ちてしまいます。
ウェザリングに使用するツール
Mr.ウェザリングカラー
もう、これは必須です。私は、これ無しでは無理です。表にも記載した通り、使えるウェザリング個所が多いですね。油彩ですので塗装した上からジャカジャカとウォッシングできます。粒子が荒いので、乾燥すると埃や錆の感じになります。
— 特徴 —
●油彩塗料。要は絵の具です。
●乾燥が遅い。遅いので、乾燥前に綿棒等でボカすなどのコントロールが行える。
●艶消しになるので、汚れ感は大きい
●筆塗りとなるので面倒だが、使いこなせば汎用性が高い
— 手法 —
●流し込み(墨入れ)
●ウォッシング
専用薄め液と筆を使用する事で、ウォッシングが行えます。筆の代わりに綿棒を使用する事で、軽いウォッシングも行えます。
●綿棒で消込み
1日程度完全乾燥させます。その後、綿棒で擦ると部分的にウェザリングカラーが消えたり残ったりします。これを利用して錆や塗装剥がれの表現を行います。薄め液は必須。乾燥後に塗料が取れない場合があります。
●綿棒でエッジ出し
綿棒に塗料を付け、パーツのエッジ部分に軽く塗ることで、パステルシャドウとは違ったシャープなシャドウ付けが行えます。
Mr.ウェザリングカラーの商品説明はこちら
Mr.ウェザリングカラーを使った錆ウェザリングの実施例
ウェザリングマスター
ウォッシングで完璧に仕上げられれば使っていませんが、大抵はそんなにうまくいくはずもなく、ウェザリングマスターで補正しています。しかし、パステルシャドウのみで作品を仕上げる場合には、ウェザリングマスターのみの使用です。
— 特徴 —
●パステルであり、塗料では無い。
●薄いウェザリングに効果を発揮する。面へのコントロールが行いやすい。
慣れないうちは、Mr.ウェザリングカラーよりもコントロールし易い。
●ウォッシングは流れ感のある汚れ。ウェザリングマスターは面での汚れとなる。
●塗り込む事で、小さい泥等の表現を行う事もできる
●パステルだから、触ると剥がれる。トップコートでの保護が必要です。
ただし、トップコートを行うとパステルが流れます。適量のトップコートを行ってください。これには流れる分を把握する必要があり、慣れが必要です。コントロールを覚えれば、ボカしに使えますね。
●使用にMr.ウェザリングカラーより手間は掛からない。
— 手法 —
●パステルシャドウ
●薄いウェザリング(ウォッシングと同様の効果)
ウェザリングマスターの商品説明はこちら
ウェザリングマスターを使ったパステルシャドウの実施例
リアルタッチマーカー
ペンタイプですので、ひょいと使えて何かと便利です。が、塗料が薄いので隠ぺい力は弱いです。ですので、メインのウェザリング塗料としては難しいですが、軽いウェザリングや補正には便利です。
— 特徴 —
●水性塗料
●ペンタイプで手軽に使える。
●乾燥が早く、すぐにふき取っても塗料が取れない=コントロールにコツがいる。ぼかしペンは必須。
●汎用性は高いが、専用性は少ない。ちょっとしたアクセント、修正や追加に使っています。
●Mr.ウェザリングカラーより隠蔽力が薄い。
— 手法 —
●流れる錆
ちょこっと塗って、指でスッと拭くと、錆が流れた感じになる。乾燥が早いので使える手法。これは覚えると便利です。
●スタンピングの補正。スタンピングスポンジで届かない、奥まった部分に使用
リアルタッチマーカーの商品説明はこちら
リアルタッチマーカーを使ったウェザリングの実施例
Mr.ウェザリングペースト
ジオラマには便利なペースト状の塗料です。立体的な泥が表現できます。
— 特徴 —
●泥などの立体的な汚れを再現できます。ウェザリングマスターをペースト化した物です。
薄めると使用範囲は増えそうだが、Mr.ウェザリングカラーでイイかな。
— 手法 —
●泥汚れの様な固まった汚れ
●主にジオラマで使用
Mr.ウェザリングペーストの商品説明はこちら
ウェザリングに対してのツール使用法
では、これらのツールを使って、泥や錆などのウェザリングをどうやって行うのかを説明します。
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